匠の技

宮大工としての誇りを忘れず、
匠の技を後世につなげていきます。

1000年以上の歴史を刻んできた日本の木造建築。それを支えてきたのが「宮大工」であり、卓越した技術は、徒弟内で代々受け継がれてきました。私たちは、その歴史の中に存在する者として、匠の技を後世につなげていくため、これからもつねに知恵と技術の修得に勤しみ、1000年後を見据え、歴史に残る仕事をしていきます。

宮大工・木工技能者は20名在籍。
文化財改修の厳しい基準もクリア。

文化財の保存修理の多くは、文化庁の外郭団体である財団法人文化財建造物保存技術協会の指導・管理のもと行われています。この団体による厳しい基準をクリアした木工技能者に「文化財建造物木工技能認定」が与えられ、文化財の保存修理に携わることができます。当社は、知識・経験をもった建築士や現場監督を多数かかえ、宮大工は20名以上在籍。日本伝統建築技術保存会の企業会員でもあり、文化財建造物木工技能者も数名在籍し、数々の指定文化財の保存修理の実績もあります。すべての技術を習得するには10年以上の修業が必要といわれる宮大工の世界で、これだけの熟練者を揃えている会社は珍しく、ゼネコンが請け負う重要文化財の修復プロジェクト等にも参加させていただいています。

日本伝統建築技術保存会とは

敷地面積約4012㎡を誇る
社寺工場も完備。

伝統建築に欠かすことのできない、大型の材木の加工もできる敷地面積約4012㎡の社寺工場を完備しております。原寸場、加工場を兼ね備え、NC万能加工機も設置し、多様な依頼にお応えすることができます。

図面からの拾い出しや原寸図の作成、墨付。
3次元の神業が宮大工の仕事。

昔から神社仏閣の壁や屋根は、釘を使わない「木組」という工法で作るため、宮大工は、木材の切り出しや加工を自身の手で行います。そこで重要となるのは、図面からの拾い出しや原寸図の作成、そして指矩で建築部材の実形を割り出し、材木に墨付する「規矩術(きくじゅつ)」です。設計士が書いた図面からではわからない、部材同士の3次元的な取り合いを求める重要な手法であり、日本建築の粋である美しい屋根は、この技術のなせる業なのです。

定期的な講習や実践から、
宮大工の技「規矩術」に磨きをかける。

人手不足の時代でも宮大工は憧れの職業として人気があり、やる気のある志願者が全国から集まってきています。意欲ある若者を一人前の宮大工に育てるため、当社では熟練工の講師を招いて「規矩術講習」を開講。ほかにも、大工団体が主催する技術講習会、講演会への参加や文化財の見学などを通じて、定期的にスキルアップを図っています。そして宮大工にとっての最高の勉強は、なんといっても実際に文化財の修復に携わることでしょう。昔の宮大工の高度な技術に触れることで、後世に受け継がれる技術の蓄積と継承を行なっています。

入手困難な特殊材も、グループ会社の持つ
特別なルートで仕入れ可能。

社寺建築には良材の大径木など特殊材が必要とされる場合も多く、一般に流通している木材だけでは補うことができません。グループ会社の株式会社いちいでは、全国各地から良質の木材を仕入れられるルートを持ち、国産の桧、ケヤキ、杉を中心に原木で仕入れた木材を自社で製材・乾燥・保管しています。さらに使用する材のほとんどは、自社工場にて加工。どんな木材を使うかは、「材木検査」でチェックすることができます。

伝統文化財保護功労・産業振興功労で
当社会長・中嶋正雄が旭日双光章を受賞。

2020年に「伝統建築工匠の技:木造建築物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産として登録決定したことを受け、全国文化財壁技術保存会副会長を務める当社の中嶋正雄会長が、2021年秋、旭日双光章を受賞いたしました。

ユネスコ無形文化遺産保護条約に登録。

当社会長の中嶋正雄が団体副会長として務める全国文化財壁技術保存会が、2020年12月17日「伝統建築工匠の技:木造建築物を受け継ぐための伝統技術」として、ユネスコ無形文化遺産保護条約により登録されました。

社寺建築の耐震補強・改修

近年の大規模地震により、歴史的な社寺が次々と倒壊の被害にあっています。かけがえのない社寺を守るために、なるべく早い備えが必要です。アイチケンでは、天井裏調査や床下調査、壁量調査など数々な調査を行ない、耐震性能がどのように変わるのかを計算し、最適な改修・耐震補強工事を必要な場所に施すことで、歴史を重ねた社寺の良さを残しながら、地震に耐える最適な構造をご提案します。

状況を的確に把握するため、まずは耐震調査から始めます。
神社の耐震工事、不陸調整。
耐震格子壁の設置。
床下挟み梁の設置。
耐震小舞荒壁の設置。