社寺・文化財施工事例

重要文化財旧伊勢郵便局舎(宇治山田郵便局舎)/
愛知県(博物館明治村内) 2022年

文化財

■改修
■木造平屋建・一部レンガ造
■延床面積 / 602㎡(182坪)
(下請け物件)

国内における最大規模の木造郵便局舎の修理工事。 現存する最古の木造郵便局舎で、国の重要文化時建造物に指定されてます。

 

明治時代から唯一現存する木造郵便局です。1909年に三重県伊勢市で建てられ、1969年に博物館明治村に移築されました。

2018年~2022年にわたり改修工事をし、現在の姿になりました。113年の時を経てもなお残る明治時代の建築物です。

 

 

手前から現業室、中央に公衆室、奥に電信機械室が広がります。現業室から西翼部の土間エリア・東翼部の各個室へと繋がる廊下・中央の公衆室へと

繋がる建物の半分を占める大広間。

 

 

正面玄関を通ると円形状のホールである公衆室があります。現業室と公衆室の間にはガラスと木枠で仕切られたカウンターがぐるっと広がり、

公衆室側にお客様が現業室側に郵便局員がいる様相となっております。

 

 

公衆室にある私書箱です。54種類の個別の小さい扉があり、それぞれに対応する錠/鍵あります。年代により4種類の鍵が使用されており、

1番古いと考えられる錠と鍵は創建当初のものであると考えられ、写真上部2段に使われているフタ付きの棒錠を指します。

 

 

廊下です。外部と現業室つなぐ通路であり、西翼部にある各部屋へと繋がります。写真左手前から電話交換室、左奥が交換手控室、右手前の鉄格子窓は

切手倉庫へ、右奥の窓は電池室へと繋がります。

 

 

写真手前の畳の和室は工夫宿直室、奥の土間の部屋は工夫溜です。工夫溜の中央には炉があり、炉の周りにはL字の腰掛があります。

この建物が郵便局として稼働していた当初は、工夫が炉で暖を取り、宿直室で寝泊まりしていたと考えられます。

 

 

切手倉庫です。レンガ壁で覆われ、漆喰が塗られています。写真右の壁はレンガが積んであることが分かるよう、途中から漆喰塗りにしております。

天井は木の化粧根太の上に、波型の鉄板が敷かれ、その上に防火用に砂が厚く敷かれています。